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初韓国ミュージカルは、『春のめざめ』だ! 2009.12.8韓国『Spring Awakening 스프링 어웨이크닝 春のめざめ』ステージシート [韓国ミュージカル観劇記]

2009年12月8日 
『Spring Awakening 스프링 어웨이크닝(春のめざめ)』
場所:두산아트센터 연강홀
斗山(トゥサン)アートセンターヨンガンホール
最寄駅:地下鉄1号線、3号線、5号線 鐘路3街駅

キャスト:
Melchior 주원(チュ・ウォン)
Moritz 조정석 (チョ・ジョンソク)
Wendla 김유영 (キム・ユヨン)
Hanschen 고훈정(コ・フンジョン)
Georg 윤석원(ユン・ソクウォン)
Ernst 김하늘(キム・ハヌル)
Otto 육동욱(ユク・ドンウク)
Ilse 김지현(キム・ジヒョン)
Martha 백은혜(ペク・ウンヘ)
Anna 박란주(パク・ランジュ)
Thea 오소연(オ・ソヨン)

Adult Women 이미라<イ・ミラ>

(Adult Men代役のため、名前わからず)

R席8万ウォン、S席6万ウォン、舞台席5万ウォン

ステージシートL3列8番(日本でのL3列24番)
なぜか割引で3万ウォン(約2400円)


地下鉄で使えるSuicaのような、T-money6000ウォン。
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ステージシートに座る人は、荷物をすべて受付に預ける。
日本のように各自ロッカーがあるわけではなく、
大きな袋に入れて、預ける。
普通に客席に入ろうとしたら、
「舞台席の観客は、あの赤い置物のところで待っていてください。
 みんなで一斉に、舞台席にあがります」(日本語)
謎の赤い置物のところで、座って待つ。
「さあ、席番順に並んでください」(らしきハングル)
チケットを見せて、じゃあ、ここに並んでと。

一緒に観劇したM氏は、日本でも『春のめざめ』を観たことがない。
それとなく、どかんとやばい場面があるよとは説明。
舞台席って、本当に舞台に上がるんだねーと、びっくりされる。
開演前や、休憩中にM氏と話していたので、
隣に座っていた人に「日本人?」と話しかけられる。
プロモーションの手伝いをしているんですと。
出待ちできますから、カフェにいてくださいねと。この話は、最後に。


「オンマ、○○~」
ベンドラは、とても背が小さい。
ベンドラは、地毛でした。
ハングルは、まったくわからないが、英語に脳内変換。
「touch me」と「I believe」は英語で言っていたような気がする。

舞台後ろに飾られた肖像画や、おっぱいライト(正式名、ニップルライト)もあり、
うんうん、そうだよね。この場面では、ここにライトが当たるよねと確認。

劇場は、自由劇場のような広さ。
自由劇場では、2階席の前部分に、モニターがあって、指揮者がうつっていた。
この作品は、オケが舞台後ろにある。ピアノ兼指揮者も、後ろ。
だから、劇団四季では、モニターで、歌の出だしを指示していた。
ボーカルキャンセルで、歌う練習をしてるけど、
出だしが、わかりにくい曲ばかり。

韓国では、モニターはない。
よく出だしが、わかるなーと。
ただ、曲自体、テンポが速い気がした。

日本語を話せる方に聞いたら、韓国版はブロードウェイを忠実に再現してるらしい。
日本と大きく違うのは、モリッツがタバコを吸うこと。
「ベットタイムのすすめ」をメルヒオールから受け取る場面で、
モリッツは、若干いらついた感じで、タバコを吸う。
本物のタバコで、煙を出る。
本物のタバコは、日本ではやらないかもね(ユタのように?)

「ベットタイムのすすめ」の中身は、よく見えない。
ここで、モリッツがいらつくのも不自然な感じだ。
あまりにもショッキングな内容に、気持ちを落ち着けるため?

メルヒオール(韓国では、メルキに聞こえた)も
机に、両足をほおり出して座る場面もある。
優等生というよりは、やはり変わった思想を持っていて
でも、普通の男の子のように、不良っぽい面もある。

私の座っている席の、2席横は、モリッツ待機席。
途中、舞台席でモリッツが歌う時、椅子の背もたれの上に乗って
歌いあげていた。こんなに派手に上に乗ってたっけ?

横にいるときのモリッツ。
その横顔がとてもきれいだった。
輪郭がきれいなのと、心の中も透明で透き通っている様子が伝わってくる。

M氏の感想:
・ハングルはわからないけど、大体意味がわかったよ
・みんな目が充血してたねーー
・ベンドラ役の子の将来が心配だよ
・っていうか、なんで1幕最後のメルヒは、あんなに逆ギレしてたの?

えっと、なんで、1幕最後は、メルヒ、あの場所にうずくまっていたんだっけ?

みんな、目力が強すぎる。真剣に、目を、見開いて、演じる。
そして、充血。
1幕最後の、あの場面では、ああなるって詳細を知っているのに、
さーーーっと、どん引き。
てつきが、やばい。
日本のあれより、3割増しぐらいに詳細・・・。
っていうか、日本のあれは、まだ控えめに演じていたんだな。
ベンドラのパンツの中が見えちゃうんじゃないかと、びびる。
何より、M氏が、引かないか心配。

話はそれるが、バイオリンの2人が男性だったので、骨太だった。
オケの質が、日本より、断然上。
1幕途中で、R席のうしろから、舞台を見つめる男ども+イルゼ。
このときの、イルゼの目が、氷のように冷たかったわ。

M氏に、イルゼって何者?と終演後に聞かれる。
イルゼについては、マルタの場面で「イルゼみたいになりたくないでしょ」と
言葉だけで説明があるから、ハングルわからないと理解しにくいかもね。

モリッツと、イルゼの「Don't do sadness/Blue Wind」は、最高に迫力があった!!
モリッツの、ツバが飛びまくり、イルゼもモリッツ以上の声量で歌いあげる。
「芸術家たちは、こうやって私をキャンパス代わりにするのよ」で
大きく、嫌がるモリッツ。

M氏いわく、マイクの線を、きっちり片づけるんだねー。
そうです。
初めてでも、やはり目立つもんだね。

最後のThe song of Purple Summerでの、イルゼの歌声は、感情豊か。
横に声がのびている。
こんな風に歌う人って、少ない。

メルヒよりもモリッツの方に目がいってしまう。
でも、メルヒが上着を脱いで、最後、教会にくるところでは、
細マッチョな感じで、にじみでていて、素敵だったわ。
あ、最初に、メルヒを観た時、ふくらはぎがきれいだと感じたの。
立っているときも、座っているときも、ふくらはぎがきれい。
そんなこと、日本では思ったことないね。
多分、クラシック・バレエを習っているんだと思う。
立ち姿がきれいで、でも、バレエバレエしてなくて、肉つきがきれい。

最後のカーテンコールで、「Totally Fucked」を歌う。
がんがん踊って、最後は、感じに、横向きで止まるメルヒ君。
なぜか、顔が真っ赤で。
横に向いた時、ちょうどM氏の前に位置して、
激しく踊ってたねーーとM氏がつぶやく。
M「メルヒの子も、あんなに普通なのに、舞台であんなことしちゃうなんてねー」
あ「まあ、あれがないとダメな舞台だし」
M「ベンドラは、あれをするってわかっていて、役についたのかな?」
あ「うん。ブロードウェイを観れば、わかるはずだしね」
M「やっぱり、あの子の将来が心配だよぉぉ」
あ「劇団四季で、ベンドラをやった子は、今、いろいろ活躍してるから安心したまえ」


あと、2幕での男同士のあの場面では、
あの場面になったとたん、客席からクスクスと笑い声が。
そう、ここは笑う場面で正解なんだよね。
日本では、みんな手に汗にぎって、真剣に見守っていたから、余計に恥ずかしい。
韓国では、笑いの場面では、しっかり客席から笑い声が出てた。

曲が終わると、ヒューーー。ホゥーーー。って、うるさくて、楽しい。
あと、大きく違ったのは、床に、墓碑がないこと。
モリッツのも、ベンドラのもない。あれって、日本だけなの?

マルタのように、私をぶってみてという場面で、メルヒは、本当にベンドラを打つ。
いやはや、あの枝が、ぼろぼろになるぐらい、ぶつのよ。
途中で、砕け散った・・・。
これって今日だけ?と、日本語のわかる人に聞いたら、「いつも!」って言ってた。
途中で枝は折れて、最後の2振りは、本当に振りだけだった。びびった。

あまりのびっくり場面ばかりだが、役者は、かなり真面目。
モリッツが亡くなるところでは、ほかの役者、ばっちり泣いている。
何を演じるにも、真剣で、心がしめつけられる。

終演後、出待ちへ。
スターとのふれあいになれていない私。
一回り下のジェンヌ(女性)に対しても、デレデレしてしまって
言いたいことが言えないのに、モリッツ役のチョ・ジョンソクくんとおしゃべり。
ステージシートの3列目だったせいか、実物チョ・ジョンソクくんは、170センチぐらいあった。
第1声「せ・・・背高いですね」
通訳してくれた子「冗談でしょ(笑)」←日本語
そして、いろいろ訳してくれた。

終演後、普通に帰っていくキャストたち。
ああ、あの子ベンドラだぁ。
ゲオルグかな?キャストの友人というアメリカン男性2人がいて、
ポスターを広げて、「さあ、ここにサインしていって」と、当たり前のようにふるまっていた。
キャストも、みんな優しくて、
次に出てきたキャストへ、「ここにサインするんだってよ」と伝えていく。
アメリカンとメルヒは、おもしろ写真を撮っていたり、なんだこの世界は!!

チョ・ジョンソクくんに、サインと写真とってもらい、大満足。
41807513_100993067s.jpg


英語で話したら、少しわかったようだが、通訳なしに
ストレートに感想が言えたらいいよねーー。

帰る時に、メルヒが、まだうろうろしていたので、
M氏が、流暢な英語で、「あなたの演技は情熱的だったよ!!」と言うも
英語がわからない様子だった。というか、M氏の英語が流暢すぎたのか。

1幕最後のあれは、どうかと思うけど、曲はいいし、内容もすごくよかったと
M氏が気にいってくれたようで、一安心だ。
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2009年11月1日『レ・ミゼラブル』 終演後のアフタートークを中心に [ミュージカル]

2009年11月1日17時
帝国劇場『レ・ミゼラブル』 2階J列14番

橋本 岡 知念 山崎 神田 泉見 安崎 阿知波 原田
(松原さん急病のため、原田くん代役)

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終演後のトークショーの様子を、どーーっと書いていきます。

一番最後のカーテンコールで、一人ダッシュで舞台中央まで行き
両手をあげて、まだまだこれからだぞという、一人謎の行動を取る橋本さん。
死に顔のままのバルジャンがダッシュすると、怖いですww

・司会兼ツッコミ役 岡様
・ヒトリ、ノリツッコミ さとしさん
・しっかり屋さん 沙也加ちゃん
・マイペース いずみん

豪華4名のトークショー。

岡:何時までやるんでしょうね。
さ:もーー。しゃべくりますよーー。ああ、あかん、かつぜつわるい。

コテコテの関西弁の白髪バルジャン。

岡:おしゃべりバルジャンですもんね。
さ:2007年、初めてバルジャンやった、その最初の日ですよ。
  コゼットのもとへ「何があった!!」とかけよるシーンですわ。
  あの、門があいてたんやねん。
  なんで、門があいてるんかって。
  すごいあせってしまって、もう胸ざわざわですやん。
  みなさん、ミスしたとき、胸ざわざわしいへんですか?
  ていうか、門あいてるって、どんだけセキュリティ低いかっていう話ですねん。
  もう、門、しめにいかへんとって、門をしめにいったら
  歌詞が、飛んでしもうたん。
  「何もきかなーーいで。」とか歌うところで、
  とにかく逃げなきゃって、
  「コゼット、逃げるぞ。とにかく逃げるんだ」と必死にしゃべりましたん。

岡:歌わないで、しゃべっちゃんですよね(笑)
さ:そう。歌わない(笑)
岡:だんまりバルジャンっていうのは?
さ:初日にミスしてしもうたから、2日目こそは完璧にって意気込んでたんやけど
  今さんのジャベールとで、「対決」の場面で、歌詞が飛んでしもうたん。
  すごいあせってしもうて、歌わないとあかんのに、
  何も声が出ないで、無言(笑)
  今さんも、どうしてよいものか、二人でファイティングポーズ取るだけでしたん。
  岡さんは、ミスすることないですか?
岡:(ものすごく自信満々に)今年は、まだ2回です。
さ:歌詞作る派?
岡:作りますね。1回は、母音が同じだったから、あんまりばれてないかも。
  でも、間違えたときは、最後の長音をいつもより力を込めて伸ばしたりしてます。
  うなずきバルジャンもありましたよね。
さ:そうやねん。
  市長として、工場に出てくる場面、出だしが難しいんですよ。
  民衆たちの後ろから、かきわけて出てきて
  それでも、指揮者が見えにくい。
  なので、塩田さんに、目立つように指揮棒を振るようにお願いしたんです。
  そうしたら、塩田さんが、いつも以上に大きく、さあ!ここ!って
  指揮してくれたら、力強くうなずいちゃったんです。
  うなずかないで、そこから歌いださないといけないのに(笑)

岡:ほかに新しいバルジャンのタイプはないの?(笑)
さ:ああ、今年から、パンが本物になったじゃないですか。
  あの司教さまの場面と、後半のベガーズたちにパンを配るとき。
岡:そうなんですよー。パン屋さんが、売り物ではないんですけど
  この公演用に焼いているんです。
さ:司教さまの場面は、めちゃくちゃ、おなかすいてる設定やないですか。
  だから、最初、ばくばく食べちゃったんです。
  でも、ワインは・・・
岡:ワイングラスには、何もそそがれてない(笑) エアワインw
さ:そう。なので、フランスパンを食べて、何も飲めず
  口の中、カスカスになってしもうて
  そんな中「銀の食器だ、これはたかーーい」って(笑)
  ぱふぱふバルジャンですね。

岡:みなさんもミスしないですか?
沙:私は、門の前で、動かないといけないときに、
  両足の紐がからまって、ああ、編み上げブーツなんです。
  で、「一人、二人三脚」みたいになっちゃって
  顔は冷静なまま、足を、フンって、ふりきって、紐をほどきました。

さ:ミスると、胸ざわざわ、しいへん?
沙:ちょっと・・・それは、ないですね。
  逆に冷静に、自分がんばれって思っちゃいます。

岡:私もそうですね。ミスすると、冷静になる。
  洋平は、ミスする?
泉:いつもミスります。歌詞は、一度も間違えたことありません!
岡:沙也加ちゃんは、コゼット今年はじめてだけどマリウスとして
  ほかのコゼットと違うところありますか?
泉:名古屋で初めて組んだ時、練習せず、本番でいきなり組んだんです。
  ヴァンパイアなどで、あまり練習できず、場当たりだけやったんですけど
  カーテンコールの立ち位置を練習してなくて、とまどっていたら
  神田さんに「左!左!」とか、教えてもらいましたよ。

さ:おれも、今日、出トチリしそうになったのを
  沙也加ちゃんに、助けてもろうた。
  ベガーズにパンを配る場面で、さあ出るぞと意気込んでたら
  思いっきり、沙也加ちゃんに、「まだです!」で止められたん。
  間違えたことにも胸ざわざわで、止められたことで、ドキドキでしたねん。
  あと、盆が、やっぱり難しい。
岡:そうですよね!
  今日、自殺の後、ごろごろころがって、舞台の真後ろに、ころがらないといけないのに
  思いっきり端っこで、あやうく装置に当たりそうに。
(これは、2階席から、よく見えたww)

泉:最初の方、仮出獄で宿屋や、働き場を点々とするバルジャンの場面。
  あそこの民衆で出てるのですが、
  位置につくとき、前が、まっくらなんです。
  だから、集団で、真正面にいないといけない時に、真後ろにいたりとか。


沙:プリュメ通りの場面で、門が出ないことがあって
  門を目標として、舞台の前後を動いているので、
  あれ、これで合ってるのかなって、さぐりながら動いたこともあります。
  門が後から出てきて、きちんと門の中側に入れられてる?って
  一瞬のうちに確認したりも。

岡:あの、こんなこと聞いてもいいのかわからないんですけど・・・。
  名古屋公演で、沙也加のお母さんの松田聖子さんが来てたじゃないですか。
  カーテンコールで、まっさきに立ったのを見て、
  「あ!松田聖子がきてる」なんて思ったんですけど。 
  ああ、聖子さん。
沙:いいですよーー。松田聖子で。(本当にさわやかな笑い)
岡:えっと、聖子ちゃん、何か言ってましたか?
沙:もう、泣いて目が真っ赤でした。
  舞台を観て泣くような人ではないので、驚いたのと同時にうれしかったです。
  私は、レミゼのファンだったんです。
  そのあこがれの舞台に立てて、母が感激してくれているのが、うれしかった。

さ:おれのことは、何か言ってた?
沙:さとしさんの日では、なかったですーー
さ:じゃあ、今度、おれの日にきてほしい。
岡:私たち、聖子ちゃん世代ですからね(笑)

沙:毎日舞台に立てることが、本当に幸せです。
  着到番をひっくりかえす瞬間や
  カンパニーのみなさんと一緒にいられる時間のすべてが好き。
  毎日、今日が最後かもしれないという気持ちで舞台に立っています。
  本当にファンだったんです。
  だから、ちょっと嘘のような感じも。
  実は、ドッキリでしたーー、って明日から舞台に出れなくても
  それでもいい。
  とにかく、今日が最後だと思って舞台にのぞんでいます。

岡:どんなコゼット像を思い描いていますか?

沙:コゼットという、今までできている部分はもちろんしっかりやりつつ
  やはり、誰からも愛される存在でいるように心がけています。
岡:地毛のコゼットって、初めて見ました。
沙:ジョンが、地毛のままでOKっていってくれたんです。

岡:時間がたってきたので、そろそろ締めを。
  さとしさん、これからの意気込みを。

さ:レ・ミゼラブルは、毎日の舞台が、新鮮ですねん。
  毎日新しい発見がある。
  歌だけのミュージカルだけど、ストレートプレイのような
  心に残るセリフも多い。
  毎回、何かをお客さまに伝えようと、取り組んでいます。

岡:えーー、ということで、
  今日は、夜に雨がふると予想されていましたね。
  明日からは、急に寒くなるそうで・・・(なぜか、しんみりモード)

  みなさんは、いいですよね!!マスクつけられて!!!
  私たちマスクつけられません。
さ:ツバとか、もわあーーって、いっぱい出してますやん。
泉:なんですか、その、もわあーって。
さ:鼻息とか?(笑)
岡:そんな中、みなさんも健康に気をつけてください。
  みなさんが、こないと舞台上演できませんからぁぁ。

では、ありがとうございましたーーーー

(話の順番は、違うかも。さとしさんの関西弁は、うまく再現できませぬ)

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ということで、ここから、舞台の感想なのですがw 手短に。

2009年、マイ初日でした。
さとしバルジャンは、初めて。
『ジェーン・エア』以前と以降で、さとしさんの歌がうまくなっているかは不明。
まあ、声量は、某Y氏と比べてしまうと、つらい。
でも、動きは、大きい。
動きの大きさも、某Y氏と比べてしまうのは、いかんな、私。
感情をこめて、きっちり歌っていて、時間がたつのがあっという間。

最後まで、24653というジャベールに対して
顔を横に振る動きが好き。
馬車が暴走して、その下敷きになった人を助ける直前に
ぎゅっと手をにぎるところ。
ファンテに死に際に、手を包むところ。
うおおおお。私も包まれたい。下敷きになるか?と。

ああ、24653ってロゴが中央に入っているだけのTシャツ売ってた。
あれ、どうしろと??ww

岡様は、安定感ありまくり。
原田くんの美声に、酔いしれ、
いずみんは、本当に私より年上かと疑い
テナコンビの場を崩さない程度のお遊びに、ほほえむ。


アンサンブルが、あれ?こんなひとりひとりキャラ設定あったっけ?ってくらい個性的。
ファンテをいじめる工場の女たち。
この人は、ファンテをどう思ってる。
どれぐらい距離感を置いているっていうのが、伝わってくる。

男性たちも、ひとつのフレーズにこめる思いが人それぞれ違って、
それが、うまーーく、一つの舞台になっている。
舞台の枠から、はみ出さず、かといって、小さくなりすぎず
レミゼって、やっぱりすごいと実感。

ガブローシュの、あの歌は、変だが、泣ける。いろんな意味で泣ける。
「すばしっこいやつがいい、おれが!」って言った瞬間から涙腺崩壊なのだが
あの歌で、持ち直し、やっぱりきれいな最後で泣ける。
レミゼ大好きだーーーーーーー!!!
ここまで読んでくれて、ありがとーーーーーーーーー!!!
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2009年10月15日(木)13:30 劇団四季『アイーダ』電通四季劇場[海] [劇団四季 ]

2009年10月15日(木)13:30開演
劇団四季『アイーダ』電通四季劇場[海] 2階11列23番

アイーダ : 濱田めぐみ
アムネリス : 五東由衣
ラダメス : 渡辺 正
メレブ : 中嶋 徹
ゾーザー : 飯野 おさみ
アモナスロ : 川原洋一郎
ファラオ : 前田貞一郎



【男性アンサンブル】
川東優希
大森瑞樹
田井 啓
品川芳晃
海老沼良和
中村 巌
森 健太郎
河野駿介

【女性アンサンブル】
松本昌子
小笠真紀
大石眞由
大村奈央
加藤久美子
小島光葉
須田綾乃
長島 祥

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「気に入らない運命なら変えればいい!!」
今回は、アイーダの、このセリフに胸打たれた。

国の外に出たいラダメス。
外に出るな、アムネリスと結婚せよ。
もう9年も、婚約してるんだから。
9年って、長いというのは、また違う機会につっこむとして、
外に出れなくて
「自信を持って我らは進む 望みに向かい 広がる明日へと
 未知の土地へと危険をおかして、苦難乗り越え 勝利目指してっ」
と、逆ギレしてグラスを投げるところが、わりと好きだ。

行くな!と命令して、アイーダを引きとめる。
それで、「手かせもない。いい気なもんね!」って行って
手をヒラヒラさせて、命令を聞かずにアイーダ退場。

その後、アイーダは、自分自身の愛と、ヌビアの民衆たちを助けることと
そのどちらかを選ぶかで、迷いに迷う。

「運命からは、のがれられない」


うーん。
どうなんだろう。
人には、決まった運命があるのか。
変えられる運命と変えられない運命の2つがある?
自分ががんばって、がんばって苦労すれば、その結果変えられることと
やっぱり、変えられないことがあると思う。

私は、アイーダを見て、変えちゃおうと決心したことがあった。
平凡な幸せよりも、荒波に出て、本当の幸せを見つけてみようとした。
あのとき、アイーダを見たせいだなと、今でも思う。
大きなターニングポイントになった。
その結果として、いまだ荒波に、漂い中であるが、
自分で決めたこと。後悔はしてない。


アムネリス「この私が決めます」で、
うん、よかったというか大人になったと感動して、
その後の「迷いつつ(リプライズ)」から涙がぽろぽろでる。
アイーダを何回も見てて、今日は、泣かないだろうと思っても
違うポイントで泣けてくる。

せっかく、いい歌うたってるのに、
端にいる兵士がスローモーションで前に出てくる。
あの兵士も好きだ(笑)
外で音楽聞いているとき、あそこの場面に出ると
駅で兵士のマネを頭の中でやっていたりする。
ちょっと危険な人である。

変えられない運命もあるかもしれないが、
自分の信じる道を信じて、
努力を惜しまず、1歩1歩、あるいていきたい。

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2009年10月7日(水)18:30 劇団四季『アイーダ』電通四季劇場[海] [劇団四季 ]

2009年10月7日(水)18:30開演
劇団四季『アイーダ』電通四季劇場[海] 2階12列17番

アイーダ : 濱田めぐみ
アムネリス : 五東由衣
ラダメス : 渡辺 正
メレブ : 中嶋 徹
ゾーザー : 飯野 おさみ
アモナスロ : 川原洋一郎
ファラオ : 前田貞一郎



【男性アンサンブル】
川東優希
大森瑞樹
田井 啓
品川芳晃
海老沼良和
中村 巌
森 健太郎
河野駿介

【女性アンサンブル】
松本昌子
小笠真紀
大石眞由
大村奈央
加藤久美子
小島光葉
須田綾乃
長島 祥

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なんで、東京公演my初日なのに、手堅くC席を取ってしまったのだろうか。
ロングランに向けて、できるだけたくさんC席で見るをモットーにしていきます。

アイーダの何が好きなの?役者?とよく聞かれる。
作品自体がとても大好きなのだ。
大阪で初めて観た時、何がなんだかわからないぐらいショックを受けた。
アイーダと言えば、オペラのまったりとした印象があったのだが、
ミュージカルアイーダは、もう音楽が半端ない。
それに、原色だらけの舞台。
ロックコンサートを観たような感じでした。

それが、海劇場に!!
でも、ウィキッドの後だと、シンプルすぎるね。
ドラゴンがないと、こんなにも違うのか。
シャボン玉製造機のような、派手な装置は出てこない。
衣装は、色が派手だけど、形はシンプル。


Bruceで歌うため、最近、ずっと英語の方の音楽を聞いている。
ひさしぶりに日本語で聞いたのが、この日。
「迷いながら」
 人は迷いながら人生を生きる
 夜も昼も、もてあそばれる 時の、まにまに

この歌詞が、胸にずしんと響いた。
まあ、自分自身、かなり迷っているから、そう感じるのかもしれないけど
こんな訳、作れないよ。
「時の、まにまに」って、まにまになんて、日常生活で言わないけど
響きとして、すばらしいわ。

「迷いながら(リプライズ)」でアイーダは横を向き
ラダメスは、正面を向き、いくつもの光がまっすぐ一人一人を照らすところも
なんて、シンプルなんだ!
ここ、二人は向き合ってないけど、
それは、この時間、別々に拘束されていたから?

アイーダとラダメスは、
ものすごく人柄がいいのに、過酷な人生を選択してしまった。
二人は、出会わないほうがよかったのか?
もし、出会わなかったら、ラダメスはアムネリスと結婚して、
外に出れない欲求不満になっていたのか。
アイーダは、川で遊んだりして、自分の国で幸せに過ごしたのか。
出会わなければ、これほど激しい恋をしなかった。

平凡な生活を過ごす方と、過酷だけど激しい本物の恋をする方。
どちらがいいのか。

戦争がなければ二人は出会わなかった。
戦争がなければよかったのに、と話は簡単にすまない。

二人には、この選択、この過酷な人生が運命として決まっていたのかもしれない。

それにしても、アイーダはつらい。
国を支えるリーダーとして生きなくてはいけない。
犠牲者が出て、自分だけの幸せを願うことができない。
国を守らなくては、父親を助けなくては
多くの囚人たちを解放しなくては。

今、平和な日本で過ごしている私。
でも、戦争が起きている国もある。
世界で戦争はなくならない。
戦争ではなくても、自分ではない何かのために生きるしかない人だっている。
自由とは、戦争とは、平和とは。
考えは、つきることがない。
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2009年9月27日『ブラッド・ブラザーズ』千秋楽 [ミュージカル]

2009年9月27日『ブラッド・ブラザーズ』千秋楽
シアタークリエ 8列5番

脚本・音楽・歌詞: ウィリー・ラッセル
演出: グレン・ウォルフォード

ミッキー 藤岡正明
エディ 田代万里生
リンダ 鈴木亜美
ミセス・ジョンソン TSUKASA
ミセス・ライオンズ 久世星佳
ナレーター 下村尊則
-----------------------------------------

千秋楽にして、初ブラッドブラザーズでした。
クリエ価格でリピートは難しい。
武田・岡田コンビも魅力的だが、やっぱり藤岡くんが好きなので
最初に観るなら藤岡くんで、と決めていた。

制作発表の様子を、久世さんからみでスカイステージのOGナビで流れた。
うーーーん、それほど激しく歌うミュージカルではないのかな?

双子が、離れて別々の家庭で暮らす。
7才のエディとミッキー、かわいい!!
っていうか、こういう、ガキンチョいるねーー。
「ゲームで死んでも、指をクロスして10秒たてば、いきかえるーー」
とかいうのやってたわ。
千秋楽だから、ほかの観客は初観劇ではないだろうが、
子ども時代のやりとりに、客席から、すごい笑いが出る。
ビンタしたとこはアドリブかな。
最後だから、アクションも白熱したのかも。

本当の母、貧しい家庭で育ったミッキーは、エディにあこがれる。
にせものの母、裕福な家庭で育ったエディは、ミッキーにあこがれる。
あんなふうになりたい。マイフレンド。

ふたりの母につきまとう影のような役、下村さん。
これまた、とっても存在感がある。
下村さんが出るたびに、母じゃなくても、どきっとする。
下村さんの美声と誰にもマネできない重みのある演技。
かっこいい!!そして、やはりこういう役似合う。

ふたりの母親も、それぞれの立場で生きていくための選択をしていく。
どうしても子どもがほしい、ほしくてたまらないというのもつらい。

「マイフレンド」「長い日曜日」など、きれいな歌はあるけど
ダイナミックな歌はない。
そもそも登場人物が少ない。
全員で高らかに歌う曲はないし、
ヒロインのリンダのソロもない。
なんか、歌が少なくて残念とは思うものの
子ども時代、大人時代の演技を繊細に見せてくれる。

身近な存在にように感じてくる。
誰にでもあてはまり、誰にでもなりうる幸せと不幸。
複雑な環境にありながら、こういう感情を持つ人はいる。

観ている間、一瞬も気持ちがそれることなく舞台に向き合っていられる。
次々と起こる災難を、見つめ続ける。
派手さはないけど、人間が持つ感情の深さが、観終わった後に、ずしんと響く。

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2009年8月読書記録 by読書メーター  [読書コーナー]

8月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3013ページ

訪問者訪問者
うーん。謎の舞台は整っているのに、それをすべて活かしてない。老人たち、最後まで、誰が誰だかわからなかった。(ネタばれ感想は、コメント欄に)
読了日:08月29日 著者:恩田 陸
サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)
最後の描写には、びっくりしたけど、何か裏があるような気がする。単純なまま、終わらないでしょうね。いの字とあおちゃんの過去に何があったのか、気になる。彼らの過去が気になるっていっても、まだまだ若いのに、ものすごい過去を抱えているのでしょう。
読了日:08月27日 著者:西尾 維新,take
絶望ノート絶望ノート
すさまじい。最初、あまりのダークさで嫌になる。だが、この状況が、違う視点から見る、おもしろくなってくる。おもしろいなんて言ったら不謹慎なんだけど、やはり、おもしろい。事件が続いて、このおもしろさが、一気に恐怖へ突入。あれが違ったって?そして、新しいキーパーソンが。これだけの作品を作り上げる力は、壮絶。
読了日:08月17日 著者:歌野 晶午
ノーカット版 密閉教室ノーカット版 密閉教室
朝、学校に行くと、同級生が教室で死んでいた。その教室は密室で、机と椅子は、すべて外に出されていた。机と椅子がない教室で大量出血で死んでいるというシチュエーションは、奇抜だが、謎を解く流れは、本格。この考えが成立するか成立しないかを、地道にたくさんこなす。そして、たどりついた犯人は! (ネタばれは、コメント欄に)
読了日:08月11日 著者:法月 綸太郎
NHKラジオ英語5分間トレーニング 2009 7 (NHK CD)NHKラジオ英語5分間トレーニング 2009 7 (NHK CD)
読了日:08月09日 著者:
岩村圭南 英語スキルアップ道場 2009年 07月号 [雑誌]岩村圭南 英語スキルアップ道場 2009年 07月号 [雑誌]
読了日:08月09日 著者:
レインツリーの国レインツリーの国
パーフェクトな恋愛小説だ。恋愛と障害の両方を描く。「ハンデなんか気にするなって言えるのは、ハンデがない人だけなんです」 そう。確かに障害を持っている側からすると、そう考え込んでしまう。後ろ向きに考えて、それでおしまい。自己嫌悪。でも、後ろ向きな自分を直すことができない。それが、この作品では!( ネタばれは、コメント欄で)
読了日:08月09日 著者:有川 浩
平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)
出版社の営業から見た本屋さんの話。私は、図書館派だけど、本屋がとても好き。好きな作家の出る本は、前もってチェックしているけど、実際に本屋で見つける本も多い。この前、ちょっと変わった本屋に出会った。商業ビルの中にある小さな本屋。ベストセラーじゃなくて、ちょっぴり変わった本を平台に置いているのだ。ベストセラーは、どこへ行っても買える。こういう変わった本屋へ行けば、新しい本との出会いがあるはず。これは書店員さんのアイディアなのかな?それとも、ひつじくんのような営業さんのアイディア?
読了日:08月06日 著者:大崎 梢
御手洗パロディ・サイト事件〈上〉御手洗パロディ・サイト事件〈上〉
ミステリ好きなら原点に返って、島田荘司の作品を読まないといけないと思い、図書館で借りてくる。何冊かにわたっている長編は好きなのだが、ぶあつい本は苦手だ。あと古すぎて汚い本も多い。それで、この本を選んだわけだが・・・。
読了日:08月05日 著者:島田 荘司
ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
社会では悪な人が親切だったりするのが、伊坂さんらしい。伏線がすべて、きれいに収束する気持ちよさ! この本のテーマ。テレビが本当のことを報道していないことは、わかっていても警察までもが、かあ。しかし、警察という対象でなくても、ありうる話なのかもしれない。絶対だと信じている方が、間違っていて、悪人の方が信じられる。悪人の方は、極端かもしれないけど、何が正義で、何がだめなのか。ひとりひとりがしっかり考えなくてはいけない世の中なのだろう。
読了日:08月05日 著者:伊坂 幸太郎
「瑠璃城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-2)「瑠璃城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-2)
怖い!!! 「○○」なんていう概念。(ネタばれのため伏字)隣の人が自分だなんてわかった日には、それは怖い、怖すぎる。最初の方は、世界観がおもしろくて、どんどん読み進める。そして、SFの要素が入ってきて、頭の中が??となったときに「○○」で話が落ち着くわけね。「○○」が通用するのなら、どんなミステリーも成立しちゃう。その当たりは、マイナス。ミステリーじゃなくて、純粋にSFの世界だったらよかったのに。偶然だが、つい先日ラピスラズリの首飾りを買った。ということは、私は、あの人なのか?
読了日:08月04日 著者:北山 猛邦

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2009年9月1日 『ジェーン・エア』プレビュー  [ミュージカル]

2009年9月1日 『ジェーン・エア』プレビュー 
日生劇場 1階E列4番
http://je-musical.com/

原作/シャーロット・ブロンテ
脚本・演出・作詞/ジョン・ケアード
作曲・作詞/ポール・ゴートン


ジェーン・エア 松たか子
ロチェスター 橋本さとし

ブランチ・イングラム 幸田浩子
フェニファックス夫人 寿ひずる
スチャナード他 旺なつき
リード夫人他 伊東弘美
ジェーンの母他 山崎直子
シンジュン他 小西遼生
メイソン 福井貴一
ブロクハースト他 壌晴彦

子役 ジェーン(10才) 佐藤瑠花
アデール 加藤ゆらら
ジョン・ソード 教会の従者 大鹿礼生

-----------------------------------------

原作を書いたシャーロット・ブロンテは、
『嵐が丘』で有名なエミリー・ブロンテの姉。
『ジェーン・エア』と『嵐が丘』は、
女性が、ものすごい大きな力で、自分の進む道を歩んでいくという点で似てる。
今回、舞台を観て、初めて『ジェーン・エア』の内容を知ったが、
有名な『嵐が丘』よりも、『ジェーン・エア』の方が共感しやすい。
それは、日本初演に向けて、演出や音楽を再構築したからなのか。
または、私自信が抱えている問題と似ているからかもしれない。

-----------------------------------

姉妹が書いた作品、両方に主演した、松たか子。
2002年に観た『嵐が丘』の感想。

『嵐が丘』 2002年1月11日 新橋演舞場
原作/エミリー・ブロンテ 
脚本・演出/岩松了

キャサリン 松たか子 ヒースクリフ 岡本健一 
エドガー 鈴木一真 イザベラ 細川直美 
ジョーゼフ 斎藤晴彦 ネリ・ディーン 梅沢昌代 ヒンドリー 山本亨

○岩松さん演出『嵐が丘』
今回の『嵐が丘』は賛否両論ある作品かもしれない。
私は感動したけど、冷静に考えてみると、もう少し演出の工夫してほしかった。
30分と20分の2回休憩時間を入れて、3時間40分の大作。
幕間をしっかり取っているのだから、
舞台をもっとスムーズに進行してほしかった。
暗転が多くて、その間ふっと気が抜けてしまう。
新橋演舞場は花道があるのだから、
舞台装置転換の暗転中も花道で舞台を進行してほしかった。


○キャサリンとヒースクリフの魂の共鳴
キャサリン役の松さんは、
子供時代から大人へ成長した姿をうまく表現していた。
気性の荒さをうまく表現していた。
しかし、結局ヒースクリフをどれだけ愛していたのかわからなかった。
ヒースクリフ役の岡本さんも
暗い役柄をとらえ好演していたが、じめじめしすぎていた。
子供時代も単なる友達、兄弟愛のような感じを受けた。

魂の共鳴は最後の場面で表されていた。
最後、夢のような場面で、
キャサリンの棺おけから、子供のころのキャサリンが登場。
子供のヒースクリフと抱き合う。
結局子供同士の時でなければ二人は幸せじゃなかったのかな。
大人になっても生きているときに、
二人が幸せだったらよかったのに・・・

---------------------------------------------

『嵐が丘』のときは、松さん「ひとりだけ」のオーラが強すぎた。
持って生れたオーラが強すぎる。
前へ前へと向かう力は、大きかったけれど、
ほかの人とのかけあいが不十分で、観ていて、疲れる舞台だった。


細かいことは、まだ開幕したばかりなので控えるが
今回の『ジェーン・エア』では、
松さんのオーラはそのままに、他の共演者の色も強く出ていて、
すんなり落ち着いていた。

主に、ジェーン・エアとロチェスターの場面が多くて、
これをストレートで見たら、ものすごく疲れるだろう。
しかし、渾身の演技や歌、
暗転なく、なめらかに進む工夫された演出を観ていると、
時間がたつのを忘れてしまう。

墓地、ジェーンの部屋、庭、ロチェスターの寝室、街並み
さまざまに舞台展開していく。
椅子やテーブル、ベットの出し入れは、
すべて役者やスタッフが、人の手で行っている。
盆は使わず、でも、一回り歩いてきた演技を、自分たちが歩いて表現する。
あえて盆を使わなくて、いつの間にか次のシーンのセッティングがされていく。
ジェーンは、ほとんど、出ずっぱり。
着替える時も、召使いが服を持ってきて、着替える芝居をする。
それらが、段どりっぽくなく、
「着替え手伝ってくれて、ありがとうね」と召使いに話しかけるように
生活している姿を隠さず、舞台に出していく。

SP席という舞台上の客席もある。
上手、下手に各35人ぐらいずつ。
舞台の上に、ライオンキングのプライドロックの高さ半分ぐらいのものが
そびえたっていて、その上に座る。
大きな船のような形。
少し上なので、キャストとものすごく距離が近いわけじゃないけど
斜めに舞台を使っているシーンが多かったので、
普通の客席に見えない表情が見えるだろう。
SP席という存在もあって、いろんな方向から隠さず表現している。

子ども時代のジェーンから始まる。
10才のジェーンを見つめる大人のジェーン。
対角線の位置に立ち、なんとも自然に動く。
子ども時代のジェーンを踏まえて、大人になっていく。
その過程が、丁寧に描かれている。

ジェーンとロチェスターの関係が、とてもすてきだった。
ロチェスターが、ジェーンを守るように抱きしめているチラシが印象的。
でも、実際に、抱きしめるのは・・・。
そこに至る様々なハードル。

ジェーンは、孤児で、身分は低い。
ロチェスターは、貴族。

ロチェスターが、ほかの貴族と結婚しようとする。
それに対して、ジェーンは自分の身分、目立たない外見を悔やむ。
ほかの人から、見るからに身分低そうにねとか言われても、
松さん自信、しっかりした家柄の出ではないか。
だから、若干信憑性がないのだが、
そこを執念かけて歌う姿は、ジェーンそのもの。
松さんでありながら、松さんではない。

ロチェスターも、これまた大変な役だ。
せつなく「ジェーン、ジェーン」とつぶやく姿が印象的。

全編通して、張り上げて歌うような歌はなくて、
しっとりと歌が進行していく。
2人で歌うところは、2人同時の旋律で違うセリフを言うパターンが多い。

私自身、ロチェスターではなく、
シェンジェンのような人の元へ向かおうと考えていた。
そのほうが、安定してるんだもん。
でも、やはり愛が大事だ。

後半、ジェーンが進むべき道を見つけて、
阻害要因があって遠ざかるが、また再確認してというところで
じんわり、ずっと泣いていた。
10才のジェーンも、ふたたび登場して、また対角線に立つ。

10才の時の私 -------------------------- 今の私

対峙することになったら、
私は、過去の私に恥じることなく
生きていけるだろうか。
生きていってるのだろうか。
――生きていってないね。

おびえて暮らしていた10才の私に、
「大丈夫よ、あなたは幸せになれるんだから」って見せてあげられる大人になるべきだ。

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2009年8月21日『天翔ける風に』初日 [ストレートプレイ]

2009年8月21日『天翔ける風に』初日 
東京芸術劇場中ホール L列31番

原作 野田秀樹『贋作・罪と罰』より
演出・振付 謝珠栄

三条 英(はなぶさ) 香寿たつき
才谷梅太郎 (三条の親友。実は坂本龍馬)山崎銀之丞
都 司之助(刑事) 戸井勝海
溜水 石右衛門 (金満家) 今拓哉
甘井 聞太佐衛門 (英の父) 阿部裕
志士 ヤマガタ 平澤智
三条 智(英の妹) 剱持たまき
三条 清・おみつ(英の母)福麻むつ美
志士 照井裕隆
志士 友石竜也 志士ほか数名
「ええじゃないか」民衆30名
------------------------------------------------

2001年、2003年以来の、再再演。
私は、観るの初めて。
タータン好きだし、謝先生の振付も大好き。
今まで観たかったけど、機会を逃して、今度こそ観てきた。

なんといっても、役者の層が厚いこともポイント。
レミゼキャストばっかり!

友石さん、とってもお久しぶり。
志士の場面では、探しまくり。
志士たちの群舞は、みんなそろって踊り、
友石さんも照井さんも、アンサンブルのように一緒に踊る。
いやはや、贅沢だわ。
志士のソロを歌っているの、これが友石さん???と考えまくり
なんか、違うような気がする。
休憩中に、プログラムを読むと、ソロは平澤智さん。
友石さんと照井さんの歌のソロも少ないなんて、ますます贅沢。

途中で気がついたけど
「老婆が殺されたよ」と、かわら版をばらまく、ふたりの男性。
後ろの模様、銀色が友石さん。
金色が照井さん。
志士のほかに、この役もしてたのねーー。

志士は、とにかく迫力のある群舞と歌。
謝先生って、宝塚では実力を発揮できてなかったんだ。
謝先生のダイナミックで、かっこいい振付は
相手が男性じゃないと、筋力の関係で無理っぽい。
両手にそれぞれ旗を持って、右手も左手も同じ動きをするのとか、難しそう。

想像していた舞台よりも、より一層迫力があって、
終始、目を見開いて、あれやこれやに感動。

何より、脚本がいいのは、いうまでもない。
罪と罰を、日本の江戸時代で展開する。
その発想だけでも奇抜だが、これが、すんなりとあてはまってくる。

才谷梅太郎は、坂本龍馬の別名。
英の父は、ええじゃないか運動のさなか、幕府の馬車にひきころされてしまう役。
討幕だ、大政奉還だと騒いでいるのに、何も実行しない志士たち。
そんな中、実行する人物が、英。

過去の英の写真を見たら、短髪だった。
ちらしだけの写真なのかは、不明。
今回の英は、長髪をポニーテールにして、少し、るろうに剣心風。
特攻服のような長い服。
この格好、タータン、似合うね。
歩いているような、走っているような、階段を上っているような
ゆっくりとしたテンポで、舞台を四角く進む、英。
盆は周り、舞台が転換していく。
中央で英が演じても、また違う場面では、盆の周りを四角く歩く。
なんか、この動きが、かっこよくて、目をそむけることができない。

「たくさんの幸せのためなら、ひとつの悪行も許される」
「人には、天才と凡人がいる。
 天才は、必要とあれば、法律をおかしてもかまわない」

この英の理念に対抗するのが龍馬。
「どんな人であっても、殺していい人なんていない」

山崎銀之丞さんを生で観たのは、初めてかもしれない。
だって、主要な出演作品に、1992年 熱海殺人事件って
いつの時代じゃああああ。
私まだ、その時、かろうじて高校生だったわ。
プログラムにて、銀之丞さんは、「ミュージカル嫌いです」と語っていた。
プログラム見本を立ち読みしたので、くわしくは読んでないが、
歌が苦手?ミュージカルそのものが嫌い?
それにしては、まあ歌えている。
というか、セリフの延長として、歌っている感じだね。

今日は、初日ということもあってか、カーテンコールが多かった。
カーテンコールで、ほかの役者は、自然と主題歌を歌っているのに、
銀之丞さんだけ、口を全く動かしていない。
カーテンコールで歌うことに慣れていなくて、照れくさいのか、
初日の舞台の出来がよくて感動しすぎて声も出ないのか、その事情は不明。
多分、照れくさいんだろうな。

英を追い詰める警察の戸井さんは、歌声も張りがあり、
なおかつ演技がうまい。
英との、駆け引きに、観ているこちらも力が入る。

今さんは、すっごく変人だった!!!
きもーーーい。なんで、あんなにきもいの??w
英の妹である、剱持さんに恋仕掛けをしていくんだけど
ねちっこくて、あんなの到底好きになれない。
剱持さんが、今さんに対して、銃を向ける。
「ほーーら、撃つのは知ってるよぉ。撃ってごらぁぁん」 きもい!!
これが撃っても死ななくて、ますますきもい。
今ジャベール、今すぐ聞きたいわw

剱持さんは、お金のために愛のない結婚をして、犠牲になろうとするが
きもい今さん相手には、無理だったw
「愛は、犠牲ではない」と叫んで出ていく。

今回の舞台、女性が、タータン、剱持さん、母親役の福麻さんだけ。
あとは、濃い野郎ばかりである。
その中で、剱持さんは、可憐な花を好演していた。

タータンも、気迫は男に負けない。
タータンは、歌がうまいんだけど、それ以上に芝居ができる人なんだなとしみじみ。
「世界が崩れる時は、その音がすると思っていたけど
 崩れる音すら崩壊してるわ、ケラケラケラ」と狂ったように話したり、
警察と駆け引きして、自分は助かるかもしれないと、ほくそ笑んだり、
才谷の胸に泣き崩れて「殺人者を抱くってどういう気持ち」と聞いてみたり
そのどれもが、すばらしい。
カーテンコールで、
「ありがとうございました」という声が、普通に女の子の声だったのに比べて、
舞台の間は、宝塚時代の男役の声に近い。
殺陣も、めちゃくちゃ、うまくて、きれいだった。
しかし、英を演じるには、ものすごく負の力が、のしかかってくるだろう。
負の力に負けないで、気力十分に千秋楽まで、がんばってほしい。
つらくなったら、きもい今さんをみて、なごんでほしい。

阿部さんは、ひょんなことから、
「ええじゃないか運動」の首謀者になってしまう。
そして、幕府側に殺されたとみせかけて、実は最後のキーパーソンになってくる。
それの前に歌うソロが、これまたせつなくて、いい声だわ。

英は、最後には明るく未来を見つめることができるのだが、
その未来には、才谷(龍馬)は、いない。
龍馬が明治時代を見ることなく死んでいったという事実を
観客の誰もが知っているだろう。

「私は牢屋で、あなたを待てばいいのね」
「いいや、違う。待つのは、女ではなく男だ。
 牢屋の扉の外で、君が出てくるのを、俺は待っている」

そう、待っていられないんだよね。
こういう設定に、もっていった野田の天才っぷりと、いったらもう。


大川の景色がきれいだ、英と才谷が川をながめる場面では、
客席前方にまで青いライトが照らされる。
最後のクライマックス近くになると、
コーラスラインのキャシーソロダンス場面のように
舞台の向こう側が、すべて鏡になって、客席の自分たちが見える。
こういうように、舞台と客席の見えない壁をとりはらってくれる演出って、
胸に、ぐっとくる。
それまでも、鏡は存在しているけど、ずらーーと舞台の向こう側に鏡が並ぶと
自分たちのことを意識せざるを得ない。

この作品は、江戸時代だったり、罪と罰だったり
自分たちの生活とはかけ離れた世界観なのかもしれないけど、
身近なところに、演じている彼らの志が、ひそんでいるのかもしれない。
江戸時代後半の混乱を龍馬がまとめてくれたおかげで、
今の平和な日本があるわけだしね。

舞台の出来事を舞台だけに置いておかず、
自分たちの今と未来に、何か問いかけてくれる作品だった。

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2009年8月14日 宝塚星組『太王四神記 Ver.II』 初日 [宝塚 星組]

2009年8月14日 宝塚星組『太王四神記 Ver.II』 初日
東京宝塚劇場 1階11列39番

友の会で、良席が当たった! ど真ん中だ。
花組の太王四神記は観てません。

だから、花組と星組でどこが変わったのかは、わからない。
小池先生いわく、新トップ、れおんくんのために
新しい王の誕生に焦点を当てたようだ。

れおんくんは、高句麗の民族衣装が、よく似合う。
コスチューム物が似合いそう。
芝居は、一本物なので、れおんくんが踊りまくる場面少なくて残念。
でも、真ん中で、でーーん!!と立っているだけで、さまになる。
合戦の場面では、盆が回りながら、複雑なフォーメーションで踊るので
2階席から観た方がきれいかな。

でも、近くで、堂々とトップとして舞台にいる、れおんくんを見るだけで
泣けてくる。
れおんくんのことはは、ロケットにて、
中央で一人ピルエットしているときから注目してた。
この新人、ただものではない。
中堅以降は、体操のお兄さんのようにすこやかに、元気に育った。
歌が難だったのに、まあまあになったよな。
宝塚にくわしくない友だちが、スカピンを観た時、
「主役級の3人は、みんな歌がうまくて」とほめていた。
れおんくんは、歌うまじゃないのに。
しかし、成長したんだね。

今回の作品の役柄では、平和な国の王になる。
血を流さない、国にする。
どんな国にしたいか言っているところは、
れおんくんが、どんな組にしたいのか。
王になることへの困難に立ち向かうシーンでも、
れおんくんの立場を反映した感じに聞こえる。

ただ、やっぱりプレお披露目があったほうがよかった。
れおんくんは、トップとして、立派すぎる。
すくすくと育ちすぎて、そりゃ苦労もあっただろうけど
他の人よりは恵まれた環境で、育った。
れおんくんの活躍と、それに伴う苦労は、これから起こるのだろうな。



れおんくんと、かなめちゃんの並びは、ほれぼれ。
背が高く、オーラのある二人は、素敵!!(←グリンダ風)
次の星組は、れおん、かなめの並びになるんだよーーとAさんに言ったら
狂喜乱舞してたww


すずみんは、実際に舞台で観る方が、ずっといい。
大劇場の時の写真を観る限り、プルキルは悪くみえないなーと感じてたの。
すずみんって、根から、すごくいい人じゃん。
だから、そのいい人ぶりが隠せなくて、プルキルとしてだめじゃん。
でも、舞台という空間で観た、すずみんプルキルは
2000年生きてきたという、人間離れした空気を充満させていた。

あかしは、本物の男性に見える。かっこいい!! まっすぐな男だ。
あかしの、ひげ。すごいね。
あんなひげ、市販されてるのかな。

すずみんと、あかしは、芝居の後のショーで、しばしひげを取り
プロローグには、また装着して出てきた。
1回取ったひげは、再利用可能なのか。
もし、舞台の上で取れるなんてことがあったら、どうするのか。
変なところに興味津津。

べにーは、なまり言葉が、よく似合うww

ねねちゃん。スカイステージで『赤と黒』を観て、
なんて演技がうまいのだろうかと、びっくりした。
今回のキハとか、凛とした女性を演じるのが得意なのかな?
次の全国ツアー『再会』では、
田舎物の、おもしろい女の子を演じないといけない。できるかな?楽しみ。

みやるり、かわいい。ショーで男役になって、プロローグでは、また女性に戻る。

れおん、かなめ、すずみん、あかし、ともみん、べにー、みやるりと確認していく。
青龍の神器の守り主が出てきて、
声に、はりがあり、ただものではない感じがして、
これってだれ?と、しばらくわからない。
青い仮面がはがれて、顔が出てくると、あ!わかった、真風涼帆だ。
って、真風は、研4なのに、こんなに目立つ役。
真風自身が、すごく光ってる。
そして、もうショー最前列で踊ってる!
真風は、べにーに、似てる。
べにーも、最前列で、どっちがどっちだか、一瞬わからなくなる。
べにー、りく、真風が並んだら、本当にわからないかも。

最近、水くんチックな顔立ちが人気なのかな?
いや、真風は、実力がある。オーラもある。
最前列で踊っちゃうぐらいだから、ダンスも、大体OK。
ソロで歌を聞いてないから、歌を確認せねば。
真風は、もう階段降りメンバーに入ってるし、東京ナウオンにも入ってる。
すごいわ。気になるわ。

ショーのプロローグで歌う、かなめ。
うわあ。背が高い人が似合う衣装だ。
かなめちゃんが、銀橋の中央で歌うのも、しっくりきた。

ショーでの、れおんくんが、言うまでもなくダンスすごくて、泣けてくる。
ジャンプの高さがある。躍動感たっぷり。
ひとり、中央で、誰にもできない振り付けで踊るのがいいねーー。
今までは、さわやかお兄さんのようだったけど
今回は、大人の渋さと、キザりがあった。

初日のあいさつを一通りして、その後数回カーテンコール。
数回のカーテンコールの時に、れおんくんが何を言うか、
かなめちゃんが、真横を見て、にこにこしてた。
その姿が、ほほえましかった。
今まで組んだことのない、れおん、かなめの2人。
かなめちゃんが、星組ってこうなんだーと、
にこやかに見つめているのがかわいい。
これからの星組は、フレッシュで、エネルギッシュで
あっと驚く楽しみが秘めていて、楽しみ。

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2009年8月12日 『怪談 牡丹燈籠』シアターコクーン [伝統芸能 ]

2009年8月12日 『怪談 牡丹燈籠』
シアターコクーン 2階コクーンシート BL列8番
作:大西信行 演出:いのうえひでのり

--------------------------------------
<歌舞伎座の舞台の感想> 2002年9月12日昼の部 3階は列26番
『怪異談牡丹燈籠』
関口屋半蔵 相川幸助(二役) 中村吉右衛門   
女房お峰  妾お国 (二役) 中村魁春
娘お露   片岡孝太郎    
荻原新三郎 中村梅玉

○ちょっと期待しすぎたかも
「九月大歌舞伎『怪異談牡丹燈籠』で吉右衛門が善と悪の二役に挑む」と
書いてあるポスターを見て、
期待しすぎてしまったかもしれない。

今回の芝居は派手な立ち回りもなく、
しみじみとした世話物でもなく、ちょっと中途半端な感じがした。
役者さんが悪いわけでなく、脚本がちょっと苦しかったかな。
目立つような見せ場が少ない。
いろんな人が入り乱れて、結局どうつながっていくのかわからない。
派手な立ち回り
(2002年歌舞伎座 七月歌舞伎の『南総里見八犬伝』)や、
すばやい早替わり
(2002年歌舞伎座第3部 八月歌舞伎の『怪談乳房榎』)を
見てしまったせいか、
今回の芝居はちょっと物足りなかった。

でも、時々ハッとするような演技をみせていた。
吉右衛門さんは、「悪」の方が似合う。
でも、この「悪」の半蔵が完全に悪者ではなく、人間味がある。
ちゃめっけのある演技が吉右衛門さんらしい。
そして、時々、きりっと見せる仕草が様になっている。

お露を演じた孝太郎さん。
出てきてすぐ、かわいい。いかにも恋する乙女。
それが、次の場面では、幽霊になっている。
幽霊姿もかわいかった。

魁春さんは、貫禄たっぷり。
悪い女が似合うかも。二役ともきれいだった。
うちわを優雅にあおる姿が忘れられない。
着物の着こなしも優雅だし、演技に貫禄たっぷりだ。

--------------------------------------------

つまり、歌舞伎座で観た時の印象はよくなかった。
でも、今回は、瑛太初舞台ということと、
いのうえひでのりの演出に期待してみた。

登場人物
関口屋半蔵 吉右衛門 → 段田安則
相川幸助  吉右衛門 → (源次郎という役になっていた) 千葉哲也 
女房お峰  魁春 → 伊藤蘭
妾お国   魁春 → 秋山奈津子
娘お露 片岡孝太郎 → 柴本幸    
荻原新三郎 中村梅玉 → 瑛太

お露 → 新三郎 (恋い焦がれる) 
お峰 → 半蔵 (夫婦) 
お国 → 源次郎 (結託して人を殺す)


(あらすじ)
お露(柴本幸)は、あまりにも新三郎(瑛太)を恋するあまりに死んでしまう。
新三郎の元に、お露と、その乳母お米が幽霊になって化けて出てくる。
君は死んだのではないかと新三郎がお露に問いかけると、
それはデマですと告げるお露。
その言葉を、信じてしまう純粋な新三郎。
毎夜毎夜、新三郎の元へ訪ねてくる幽霊のお露。
新三郎のお手伝いの半蔵(段田安則)が、たまたまその現場を見てしまう。
幽霊を抱く、新三郎・・・。

半蔵と新三郎は、お寺に行き、
幽霊を防ぐお札と観音像をもらってくる。
家にお札を張ると、お露は家に入ることができなくなる。
うらめしや。

また違う場面では、お国(秋山奈津子)が邪魔になった男を殺そうと
計画していた。それを助ける源次郎(千葉哲也)。
男を殺した際に、膝あたりを刺された源次郎。
殺した現場を見られたお竹という使用人を勢いで殺してしまう。


さて、お露の話に戻る。
お露は、半蔵の家に化けて出てくる。
「あのお札をはがしてください。観音像も遠くへ運んでください」
その話を女房のお峰(伊藤蘭)に話す。
お峰は、幽霊への交渉を持ちかける。(←女は怖い)
「もし100両くれるなら、お札と観音像を遠ざけてやろう」
まあ、100両なんて大金、無理かもしれないしねって。

しかし、翌日の夜、乳母お米の持っていた牡丹燈籠が空を舞い、
100両の小判が空から降ってくる。
約束通り、お金を受け取ったので、半蔵は、お札をはがし、
観音像をうちまで持ってくる。(←やるのは男の仕事)
観音像は、売り飛ばせば200両以上になるかもしれない。

お札がないと知らず、寝ている新三郎の元へ
会えないばかりに、かなり憔悴した、見るからに幽霊だとわかるお露が
訪ねてくる。
「これから毎日一緒にいましょう」というお露。
新三郎は・・・、血を、どばーーーと口から出して、死んでしまう。
(1幕終了)


お金持ちになった半蔵とお峰は、江戸を離れ、商店をはじめる。
半蔵とお峰は、ものすごく仲の良い夫婦だったのだが、
金持ちになったがために、半蔵は、遊女のお国に夢中だ。
お国は、半蔵にお金を融通してもらい、
足に怪我をした源次郎と、しばらく温泉にでもいこうとする。
お国が愛しているのは、あくまで源次郎だ。

お峰の元へ、江戸のときの友人の、お六が訪ねてくる。
それを快く受け入れるお峰。
お国の遊女仲間のお梅が、必要ないのに殺してしまったお竹の妹だと知って
びびる、お国。

半蔵が遊女と遊んでいること、お峰にばれて、激怒。
でも、まあ、なんとかなだめる。
ここまでは、お峰優位だったはずなのに、
江戸からの友人、お六がきたんだよと話すと
「江戸のことなんて、忘れろ!」と逆ギレする半蔵。
そこへ、ふらふらと、お六が幽霊のように現れる。
「半蔵さま、お札をはがしてください」と、お露の言葉を口にする、お六。(←恐怖)
観音像を売り払って、さらに遠くへ逃げようとする半蔵とお峰。

観音像を隠してうめていたところへ行き、半蔵が掘る。
掘っているようにみせかけて、半蔵は、お峰を殺す。
何度刺されても、かなり、すさまじく髪を振り乱してお峰は立っている。
最後の力を振り絞って、お峰を殺して、お国と逃げようとする。
(あれ?誰に殺されたんだっけ)
足が悪い源次郎も、誰かに殺される。
ああ、確か、お峰が、すばやく化けて出てきて、
お国と逃げようとする半蔵を、ハンドパワーで、あちらこちらに引っ張っていく。
妻殺しの罪で逮捕される半蔵と
夫殺しの罪で逮捕されるお国。
お国は、「私は源次郎を殺していない。殺したのは、過去の邪魔な男だ」と叫ぶ。

結局は、悪いことをした人は、幸せにならない。
殺した人の関係から、逮捕されてしまうという話。

通行人を演じるお峰。
「新しい着物と帯を買いにいきましょうよ」と、はしゃぐ
幸せそうなお露と新三郎。
最後は、死んだ人が、本当は殺されてなくて
生きて、幸せだったんじゃないかという回想のような
妄想のような明るい場面で終了。


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最初、現代劇になおしているのかと思ってたのに、
ばりばりの歌舞伎で、びっくり。
ただ、歌舞伎だけど、セリフは、聞きとりやすくなっている。
見得を切るっぽいところも、3回ぐらいあった。
見得は、すべて半蔵。
いのうえ歌舞伎で、染五郎がやった見得よりは、簡略化。
ツケ打ちは、本物ではなく、音声で。
盆が回るときは、「トントントントン」と太鼓の音が流れる。
休憩の時の太鼓の音も出る。
本物ではない分、ちょっとだけ違和感があるが、
歌舞伎じゃないけど、歌舞伎っぽい演出はよく出ていた。

瑛太の出番は、1幕と、2幕最後に、ちらっと妄想シーンに出てくるだけだ。
瑛太は、半蔵に殺されたようなものだから、
半蔵の元に化けて出てくるんじゃないかと、
ドキドキしていたのに、化けてでてこない。
瑛太って、本当に、いい人なんだなーーー。

瑛太は、テンション高すぎでも、低すぎでもなく、
芯のある青年を熱演していた。
舞台に立っている姿が、立派。
声もよく通る。
他の役者と違うオーラではなく、
あくまで、メンバーの一員として、しっくりきた。

段田さんと、伊藤さんのセリフが、とにかく多い。
段田さんは、言うまでもなく、みんなとは違う心地よい声。
伊藤蘭が、だめだめな亭主に対して、愚痴を言ったり
やっぱり大好きって表現したり、いろんな表現を使い分けて好演。

悪いことをするとき、客席の通路を通りながら
「だれも、みてやしねえな」って言う時に、客席から笑い。
だって、私たち観客が見てるもんね。
でも、だれもみていないように、慎重に演じる。
こういう、ちょっとした笑いがある。

お露、お国、お峰、など名前がわかりにくいけど、
後半、人物がつながってきて、幽霊が出なくても、ぞっとする。
幽霊に対して交渉を持ちかける、お峰。
邪魔な人を殺していきのびる、お国。
好きな人を殺してまでも一緒にいたい、お露。
女は、怖い!!!

いのうえ歌舞伎っぽい、「ハァアーーァアア」って(表現下手だな)
あの独特のきれいな音楽で、最後は、しんみり泣けてくる。
歌舞伎座で観た時は、つまんないって思ったけど、
コクーンの芝居は、どの場面も、食い入るように集中して観ることができた。
歌舞伎の題材ということで、50代以上の方たちが多かったけど
最後まで観ればわかりやすいので、だれにでも楽しんでほしい。

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