2009年6月5日 宝塚宙組 東京初日『薔薇に降る雨』『Amour それは・・・』

2009年6月5日　宝塚宙組　東京初日　2階4列40番

『薔薇に降る雨』　作・演出　正塚晴彦
『Amour　それは・・・』　作・演出　岡田敬二

タニちゃん、うめちゃん含め10名の退団公演。
前日の夜に、最新号の『歌劇』を読む。
タニちゃんへの別れの言葉、箙かおるさんの言葉に泣く。
「みえないところでも、ひとりで、もくもくと練習する大和悠河」

研3で新人公演主役に、異例の抜てきをされた。
天性の美貌だけでなく、コツコツ練習してるのね。

ななっぺへの別れの言葉は、水くんの一言に同意。
「えりこへ
　何で卒業なのーと思いました。」うわ、ストレート。
早すぎる退団に、惜しまれる声が続々。
惜しまれて退団することが一番の美学なのだが、それにしても悲しい。


さて、初日。
芝居の内容を調べずに、観に行く。
ええーー、これで終わりなの？
さらっとしすぎだ。
話としては、終わっているんだけど、常に、サラサラしているので、なんとも。
正塚先生らしい、「ああ・・・」「・・・、うん・・・・・・」のセリフも多く、
二人が同時にセリフをいっちゃうとか、
普通の生活で、意識しなくてやっちゃうことを舞台として成立させている。
最初から、盆がぐるぐる回るのも、正塚先生らしい。
正塚先生の芝居を経験すれば、次の舞台は、さらに飛躍するに違いない。
ああ、でも卒業生には、宝塚での次はないのよ。

おさえた芝居だから、
初宝塚がこの作品だと、「え？」って思っている間に終わってしまいそう。
『愛するには短すぎる』を、もっと、サラサラにした感じ。
覚える歌もなく、ちょっと残念。
役についている人が少ない。
もしかして、らんとむの銀橋渡りなかった？
盆とセリと、下級生が家具を運んで、場面はころころ変わるけど
銀橋渡りが少ない。だから、濃い感じが出なかったのかも。


「意味なんてないわ」
「この世に意味なんてないよ」
とか、深く考えれば、するどいセリフがある。
1日だけの情事を忘れられるだろう。生きていくためには。みたいなのとかも。
正塚先生の言いたいことを言ってるんだろうなと。
脚本家なら、だれでも言いたいことを書くんだろうけど、
正塚先生の場合は、もし、それを本当に言うとキザすぎたりするのだ。
正塚先生の過去にどんな恋愛体験があったのだろうか。
まあ、ようするに正塚ワールドなのだ！


ショーは、20年ぐらい前の古きよき宝塚だねえ。
これもやっぱり作家当てクイズをしたら、
「岡田先生」って、すばり当ててしまえる。

パステルカラー、娘役は、ひらひらの基本的なドレス。
男役は、原色のスーツ物。
パステルカラーは、まだいいが、
原色のスーツみてると、
「こういうのは市販されてないだろうな」ってぼんやり考える。

「フロリダ幻想」のとき、男役も女役もみんなターバン巻いていて、
この後の髪型どうするんだろうと心配になる。
その後の娘役は、ひっつめ頭が多かった。
男役は、リーゼント作り直してる？？
うわあ、大変。
今回、みんなのリーゼント具合に注目しちゃった。
次の場面で早替わりなのに、リーゼントのスタイルも新しくしてる。


らんとむ、みっちゃんは、汗も少ないが、
タニちゃん、ともちんは、汗だくだく。
みっちゃん、今日は、つけまつげか、アイメークに
ラインストーンっぽいのをつけてかなりキラキラしてた。

らんとむの「She」は、らんとむの忘れられないシーンになるだろうね。
なんか、今回、あんまり赤面王子らしくなかったけど、（もう免疫できた？）
「She」では、銀橋で一人、愛の楽しさとせつなさを表現している。
こういう細かい表現って、いいね。かっこいい。

「夢・アモール」で、みっちゃんが一人歌い、
中央で、タニ、うめ、七帆、美羽の4人の退団者が踊るところ、ジーンとくる。

ロケットは、初舞台生（って、東京からは9人だけど）にしては
難しい振りじゃないかな？
フォーメーションが複雑。

初日の挨拶
「今日は雨で、熱気もすごく、汗もすごいです。
　最後の舞台の幕が開いてしまいました。
　アモール、愛する気持ち、アモール、愛される気持ち。
　みなさんで、愛をはぐくんでいきましょう」

タニの挨拶の間、ななっぺが、眉間にしわを寄せて、
泣かないように我慢している様子。
いやああああ、やめないで。

うめちゃんは、芝居もショーも、衣装が素敵。
あんな衣装を着こなせるのは、うめちゃんだけ。
一時期、激やせしていたときよりは、元に戻って、今が一番美しい。
美しさ、かっこよさの頂点でやめていく人たち。
笑顔で見送らなくてはいけないのよね。