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2009年8月1日 劇団四季『エルコスの祈り』熊谷公演 [劇団四季 ]

2009年8月1日 劇団四季『エルコスの祈り』全国公演 こころの劇場
熊谷文化創造館さくらめいと 太陽のホール 1階6列33番



エルコス : 五所真理子
ストーン博士 : 岡崎克哉
ジョン : 鎌滝健太
ダニエラ : 菅本烈子
パルタ : 丹下博喜
ダーリー : 川口雄二
理事長 : 高林幸兵
セールスマン : 神保幸由



【子どもたち】
ポール : 早川英佑
ジョージ : 高橋 徹
リック : 片山怜也
ニールス : 南 圭祐
ピーター : 金子信弛

ローズ : 熊本梨沙
チェリー : 岡本有里加
アミー : 平田 綾
リンダ : 新保綾那
シェリー : 出口恵理
サラ : 愛沢えりや
ポーラ : 小菅 舞
ハニー : 石井亜早実
エマ : 礒辺愛奈

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作品紹介 公式HP
http://www.shiki.gr.jp/applause/elcos/index.html

エルコスの祈りという芝居のことを、あまり知らなかった。
そんな中、今年の5月、
母校、高校の部活の引退式で3年生が演じたのが『エルコスの祈り』。

部活の引退式では、学年ごとに出し物をする。
1年生は、はんにゃを中心としたお笑いネタ。
2年生は、自分たちが演じた『マンマ・ミーア』と『オンディーヌ』を合わせたパロディ。
そして、3年生は、『エルコスの祈り』を発表した。

学年がひとつ上がるだけで、かなり大人の雰囲気になる。
ほとんどの四季作品を観てるけど、『エルコスの祈り』は知らない話。
ここのとこ、ずっと上演されていない作品だよね?
前に上演されたのは2003年の全国ツアー。
計算すると、後輩の高校3年生は、小学生の時に観たのだろう。
『エルコスの祈り』は、前にちょっとだけ違う演目名だった。
前の方がSFらしさが出てるけど、前の名前は若干ネタばれだ。

私は、母校の後輩たちが演じていた舞台を観たので、最後は知っていた。
でも、この作品、すごくベタだ。
どうなるか知らなくても、すごくわかりやすく作られている。

「こころの劇場」ということだけあって、観客の7割ぐらいが小学生または小学生以下。
熊谷の「さくらめいと」。
観劇前日に場所を調べると、籠原駅。
間違えて熊谷駅周辺を探すところだったわ。

籠原駅、改札降りたところに無料送迎バスがあった。
公演の時間だけ、無料バスが通っているみたい。
きちんとした観光バスで、なぜかバスガイドさんがいた。
「劇団四季のエルコスの祈り、上演時間2時間5分です。終わりましたら
また、ここでお待ちしています」と、ガイドさんから説明ある。
バスのスタッフは、四季ではなく、劇場の人らしい。


劇場は、コンパクト。
私の座席は、33番。これが一番端の席だった。
自由劇場ぐらいの敷地内に、ゆったり席が配置されている感じ。


内容は、良くも悪くも、昔に作られた話だなー。
タイムトラベルして、50年後の地球に行くという出だし。
タイムトラベルの雰囲気が、キラキラしていて子どもが喜びそう。
いかにも、だめだめなロボットが出てきて、笑いを誘う。
ただ、エルコスが出てくるまでの説明場面が長い。
ここで飽きたら大変だろうなと心配になる。

もったいぶって登場したエルコスは、パーフェクトだった。
全身真っ白の衣装、白タイツ、白い靴。
ロボットのように動く、止まる、走る。
この動作、すっごく難しそう。
マヤぐらいしかできないんじゃないか。
(マヤは、人形だったけど)

ストーリーが、きっちりしているので、ぜひ部活でもやってほしいが
このエルコスの動きは、マネできないなー。
首を前に出さない。常に笑顔。
ひじ、ひざの関節がないように、ピンと張った手足。
急冷凍されたときの、かたまり具合。

本当のロボットみたい・・・。
と子どもでも大人でも信じてしまう。
そのエルコスのおかげで、悪役も目立ってくる。
演歌調で歌う悪役の場面では、客席の子どもたちが、きゃっきゃ笑っていた。


舞台の中の大勢の子どもたちの中で、なんか声が通る人がいるなと思ったら
鎌滝さんではないか。
鎌滝さん、子ども役に見えるわ。
ジョンが不良に走るのも無理はないわという話を聞かされる。

エルコスは、ロボットだけど、人間が捨ててしまった心を集めて作られた。
ロボットはできないけど、人間にだけできることがある。
それは「許す」こと。
ふむふむ。確かに「許す」ということは必要だけど、とても難しいことだ。

この作品には、単純な理屈もあるけど
意外に見落としてきたテーマがいくつか、ちりばめられている。

大がかりなセットはない。
(ザリガニのような謎の装置は、出てくるけど)
難解なメロディの歌もない。
(でも、普通の音程を普通に歌うことも、それはそれで難しそう)
アクロバティックなダンスもない。
(しかし、一糸乱れぬ、きれいな動き)

観る前とは明らかに違う何かを、人それぞれが受け取る。
人間とは単純な生き物ではない。
その複雑さの一部を、感じる人が感じられる作品。
私は「許す」というテーマに、感動したけど
ほかの人は、違うテーマに感動するのかもしれない。
観る人の数だけ、テーマが存在する。そんな素敵な作品。
だから、大きな音楽の変化とか決定的な何かではなく
観ているだけで、ぽろぽろ泣けてくる。
こういう作品もいいね。

最後には、主題歌の歌詞の垂れ幕が、舞台上におりてきて
大人も子どもも一緒に歌う。
そして、終演後には、役者さんがロビーに出て握手をしてくれる。



「こころの劇場」では、このように握手をするのだ。
まじかで見た役者さんたちは、ええ?こんなにメイク濃かったの?とw
大人役は、シャドウを濃く入れていた。
ふむふむ、こうやって陰影を出すのかと、じっと観察。
エルコスは、前にくるんと大きなつけまつげ。
宝塚みたいに、横に、ばさばさつける、つけまつげじゃなくて、
アニメちっくに、前に大きくカールしている。

作品から何かを感じるだろうし、
役者さんと握手できて、
その思い出が子どもたちの明日へ、つながるでしょう。
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