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2009年8月21日『天翔ける風に』初日 [ストレートプレイ]

2009年8月21日『天翔ける風に』初日 
東京芸術劇場中ホール L列31番

原作 野田秀樹『贋作・罪と罰』より
演出・振付 謝珠栄

三条 英(はなぶさ) 香寿たつき
才谷梅太郎 (三条の親友。実は坂本龍馬)山崎銀之丞
都 司之助(刑事) 戸井勝海
溜水 石右衛門 (金満家) 今拓哉
甘井 聞太佐衛門 (英の父) 阿部裕
志士 ヤマガタ 平澤智
三条 智(英の妹) 剱持たまき
三条 清・おみつ(英の母)福麻むつ美
志士 照井裕隆
志士 友石竜也 志士ほか数名
「ええじゃないか」民衆30名
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2001年、2003年以来の、再再演。
私は、観るの初めて。
タータン好きだし、謝先生の振付も大好き。
今まで観たかったけど、機会を逃して、今度こそ観てきた。

なんといっても、役者の層が厚いこともポイント。
レミゼキャストばっかり!

友石さん、とってもお久しぶり。
志士の場面では、探しまくり。
志士たちの群舞は、みんなそろって踊り、
友石さんも照井さんも、アンサンブルのように一緒に踊る。
いやはや、贅沢だわ。
志士のソロを歌っているの、これが友石さん???と考えまくり
なんか、違うような気がする。
休憩中に、プログラムを読むと、ソロは平澤智さん。
友石さんと照井さんの歌のソロも少ないなんて、ますます贅沢。

途中で気がついたけど
「老婆が殺されたよ」と、かわら版をばらまく、ふたりの男性。
後ろの模様、銀色が友石さん。
金色が照井さん。
志士のほかに、この役もしてたのねーー。

志士は、とにかく迫力のある群舞と歌。
謝先生って、宝塚では実力を発揮できてなかったんだ。
謝先生のダイナミックで、かっこいい振付は
相手が男性じゃないと、筋力の関係で無理っぽい。
両手にそれぞれ旗を持って、右手も左手も同じ動きをするのとか、難しそう。

想像していた舞台よりも、より一層迫力があって、
終始、目を見開いて、あれやこれやに感動。

何より、脚本がいいのは、いうまでもない。
罪と罰を、日本の江戸時代で展開する。
その発想だけでも奇抜だが、これが、すんなりとあてはまってくる。

才谷梅太郎は、坂本龍馬の別名。
英の父は、ええじゃないか運動のさなか、幕府の馬車にひきころされてしまう役。
討幕だ、大政奉還だと騒いでいるのに、何も実行しない志士たち。
そんな中、実行する人物が、英。

過去の英の写真を見たら、短髪だった。
ちらしだけの写真なのかは、不明。
今回の英は、長髪をポニーテールにして、少し、るろうに剣心風。
特攻服のような長い服。
この格好、タータン、似合うね。
歩いているような、走っているような、階段を上っているような
ゆっくりとしたテンポで、舞台を四角く進む、英。
盆は周り、舞台が転換していく。
中央で英が演じても、また違う場面では、盆の周りを四角く歩く。
なんか、この動きが、かっこよくて、目をそむけることができない。

「たくさんの幸せのためなら、ひとつの悪行も許される」
「人には、天才と凡人がいる。
 天才は、必要とあれば、法律をおかしてもかまわない」

この英の理念に対抗するのが龍馬。
「どんな人であっても、殺していい人なんていない」

山崎銀之丞さんを生で観たのは、初めてかもしれない。
だって、主要な出演作品に、1992年 熱海殺人事件って
いつの時代じゃああああ。
私まだ、その時、かろうじて高校生だったわ。
プログラムにて、銀之丞さんは、「ミュージカル嫌いです」と語っていた。
プログラム見本を立ち読みしたので、くわしくは読んでないが、
歌が苦手?ミュージカルそのものが嫌い?
それにしては、まあ歌えている。
というか、セリフの延長として、歌っている感じだね。

今日は、初日ということもあってか、カーテンコールが多かった。
カーテンコールで、ほかの役者は、自然と主題歌を歌っているのに、
銀之丞さんだけ、口を全く動かしていない。
カーテンコールで歌うことに慣れていなくて、照れくさいのか、
初日の舞台の出来がよくて感動しすぎて声も出ないのか、その事情は不明。
多分、照れくさいんだろうな。

英を追い詰める警察の戸井さんは、歌声も張りがあり、
なおかつ演技がうまい。
英との、駆け引きに、観ているこちらも力が入る。

今さんは、すっごく変人だった!!!
きもーーーい。なんで、あんなにきもいの??w
英の妹である、剱持さんに恋仕掛けをしていくんだけど
ねちっこくて、あんなの到底好きになれない。
剱持さんが、今さんに対して、銃を向ける。
「ほーーら、撃つのは知ってるよぉ。撃ってごらぁぁん」 きもい!!
これが撃っても死ななくて、ますますきもい。
今ジャベール、今すぐ聞きたいわw

剱持さんは、お金のために愛のない結婚をして、犠牲になろうとするが
きもい今さん相手には、無理だったw
「愛は、犠牲ではない」と叫んで出ていく。

今回の舞台、女性が、タータン、剱持さん、母親役の福麻さんだけ。
あとは、濃い野郎ばかりである。
その中で、剱持さんは、可憐な花を好演していた。

タータンも、気迫は男に負けない。
タータンは、歌がうまいんだけど、それ以上に芝居ができる人なんだなとしみじみ。
「世界が崩れる時は、その音がすると思っていたけど
 崩れる音すら崩壊してるわ、ケラケラケラ」と狂ったように話したり、
警察と駆け引きして、自分は助かるかもしれないと、ほくそ笑んだり、
才谷の胸に泣き崩れて「殺人者を抱くってどういう気持ち」と聞いてみたり
そのどれもが、すばらしい。
カーテンコールで、
「ありがとうございました」という声が、普通に女の子の声だったのに比べて、
舞台の間は、宝塚時代の男役の声に近い。
殺陣も、めちゃくちゃ、うまくて、きれいだった。
しかし、英を演じるには、ものすごく負の力が、のしかかってくるだろう。
負の力に負けないで、気力十分に千秋楽まで、がんばってほしい。
つらくなったら、きもい今さんをみて、なごんでほしい。

阿部さんは、ひょんなことから、
「ええじゃないか運動」の首謀者になってしまう。
そして、幕府側に殺されたとみせかけて、実は最後のキーパーソンになってくる。
それの前に歌うソロが、これまたせつなくて、いい声だわ。

英は、最後には明るく未来を見つめることができるのだが、
その未来には、才谷(龍馬)は、いない。
龍馬が明治時代を見ることなく死んでいったという事実を
観客の誰もが知っているだろう。

「私は牢屋で、あなたを待てばいいのね」
「いいや、違う。待つのは、女ではなく男だ。
 牢屋の扉の外で、君が出てくるのを、俺は待っている」

そう、待っていられないんだよね。
こういう設定に、もっていった野田の天才っぷりと、いったらもう。


大川の景色がきれいだ、英と才谷が川をながめる場面では、
客席前方にまで青いライトが照らされる。
最後のクライマックス近くになると、
コーラスラインのキャシーソロダンス場面のように
舞台の向こう側が、すべて鏡になって、客席の自分たちが見える。
こういうように、舞台と客席の見えない壁をとりはらってくれる演出って、
胸に、ぐっとくる。
それまでも、鏡は存在しているけど、ずらーーと舞台の向こう側に鏡が並ぶと
自分たちのことを意識せざるを得ない。

この作品は、江戸時代だったり、罪と罰だったり
自分たちの生活とはかけ離れた世界観なのかもしれないけど、
身近なところに、演じている彼らの志が、ひそんでいるのかもしれない。
江戸時代後半の混乱を龍馬がまとめてくれたおかげで、
今の平和な日本があるわけだしね。

舞台の出来事を舞台だけに置いておかず、
自分たちの今と未来に、何か問いかけてくれる作品だった。

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2009年5月12日 キャラメルボックス『容疑者Xの献身』マチネ  ズームアップできない舞台に挑む [ストレートプレイ]

2009年5月12日  キャラメルボックス『容疑者Xの献身』マチネ 1階13列25番 サンシャイン劇場

原作 東野圭吾『容疑者Xの献身』
脚本・演出 成井豊

石神哲哉 西川浩幸
湯川学 岡田達也
花岡靖子 西牟田恵
草薙俊平 斎藤歩
間宮隆一 川原和久
岸谷由紀夫 筒井俊作
花岡美里 實川貴美子
工藤邦明 三浦剛
富樫慎二 石原善暢
米沢小代子 大森美紀子
金子芹香 前田綾

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定価7000円のチケット。
当日10時発売に並べば、半額。
前日18時以降にネットで申し込めば、4000円。

朝、起きれない私に、10時池袋なんて無理。
それに、開演までの時間、
19時開演だったら、時間をつぶすことに
お金を使ってしまいそう。


前日予約で、申し込み。
5月12日昼と、5月21日夜公演は、5月になってから人気のため急遽追加された公演。
狙い目は、ここだ!!と、これにあわせて体調管理。
5月12日の公演の一般発売が5月6日という、短い期間。
数日前までは、1階席の半分も埋まってなかったそうだ。
それが、いってみたら、ほぼ満席!すごい。
2階席覚悟でいったら、1階席の真ん中ぐらいの席。やったw
客席を見てみると、20代男性が多い感じ。
東野圭吾ファンも来てるのかな?


注意:ネタばれあり

みなさーーん、原作は読みましたか?
もしくは、映画みましたかーー?
できれば、どちらかみてから、この先を読んでくださいねーー。


たくさんのミステリー小説を読んできたが、
こんなトリックをみたことない。

たいていのトリックは、出つくしていると言われているが
それにしても、こうくるか。
映画は見てないけど、予告編とかのCMを見て、
石神は堤真一、靖子は松雪のイメージがついちゃいました。
そして、湯川は、もちろん福山のイメージ。

舞台は、原作に忠実。
特に大きな変更点もなく、
ああ、でも、ややキャラメルっぽい明るいノリの部分もあったな。
靖子、美里、工藤が中華料理屋で食事しているとき、
前田さんが、「ジャスミン茶。熱いよ。キヲツケロ」って、いつもの通りに言うの。
そういう、ちょっとした笑いの場面は、
客席全部じゃなくて、部分的に、くすっと笑いが出ていた。
あの場面は、あそこにつながる。ここであの人が、あれして、次に、
って真剣に考えている中で、笑いの場面は、
いい意味で肩の力を抜けるところだった。
そういう場面がなければ、この真剣勝負に立ち入りできない。


西川さんは、終始、まじめ。
今までにそういう役もあったけど、
いつか笑わせてくれるんじゃないかと、無駄にドキドキしてしまった。
もっと、湯川とリラックスして、会話を楽しんでほしかったなと。
台本に、少しも無駄な時間がなくて、
次々と、東野ワールドを展開していく。

岡田さんは、福山を秋葉系にした感じ?w
いい意味で、かっこよさを捨ててるというか、
本当の研究者は、こうなんだろうなという感じ。
本来の原作も、舞台のような湯川で、当たりだ。
福山のイメージが強い中で演じるのは大変だったんじゃないかな?
(あんまり、意識してないかも?)
普段の、うるさいオカタツよりも、少しトーンを抑えて、強すぎず弱すぎない湯川像。
本当なら、湯川が真相をあばく場面を、
もっとためて、照明も音響も思いっきり大きく見せるべきかもしれないけど、
あくまで、淡々と事実を明かしていく。

舞台転換の時に、役者が交替しながら、
『容疑者Xの献身』の本物の本を読んでいく。
湯川は読んでいた。
でも、石神と靖子は読んでなかった?
もう一度観れるなら、確かめてきたい。
石神と靖子は本を読んだのかどうか。

この話、湯川は、第三者として読めるが、
石神と靖子は、読めないんじゃないか。
こういうスタンスを成井さんが作ったのではないか。
(こんなに書いていて、石神と靖子は読んでたりして)

まあ、トリックを知ってるから、舞台を見てもびっくりしないけど
舞台で初めて、このトリックを知った人はどう思っただろう。

私は、最後を知っているのに泣けた。
原作を2回読んでも泣けないだろう。
でも、原作+舞台なら、どちらも泣ける。

あまりに淡々と進んでいく舞台で、どうしてもこの結末しかなかったのか、
靖子がああして、石神は喜ばない、
どうしたら、二人は幸せになれただろうか。
その流れを止められない自分がいる。

靖子と石神が、泣き崩れる場面。
映画なら、ズームアップできる。
それを、舞台でどうみせるのか。

あくまで、自然に泣き崩れていた。
舞台の真ん中に出て、スポットライトをあびて
音響を最大限に大きくして、または、音響をカットさせて
その静けさの中で泣けば、映画のように見せることができる。
キャラメル以外の劇団がこの舞台を上演するなら、
間違いなく、不自然でも大きく取り上げるだろう。

でも、靖子は、石神に向かったまま、後ろに向いたまま
うずくまって泣いていた。その顔は、客席からは全く見えない。
見えなくても、全身で石神に気持ちをぶつけているところが輪のように
彼女自身で光をはなっていて、とても尊いものだった。

石神は客席に向いて泣いていたけど、
そこにスポットライトを当てることはない。
彼の頭の中にある、美しい公式が崩れる。
美しい数学が崩れる音を、確かに聞いた。

どうして石神が、靖子に気持ちを伝えなかったのか。
そんなに自分に烙印押さなくてもいいのにね。
でも、自殺することまで考えて、その中で見つけた光。
彼にしかできない方法で、その光を守る。
石神が工藤に思う気持ちは、最初に、本当にああだと思っていたし、
実は違ったなんて知ったら、あのストーカー姿に謝りたい。

川原さんが出てくると、セリフをしゃべらなくても、ひきしまる。
ああ、ショーマを今、観たい。
富樫役の石原さんは、殺された後も、出てきて笑いを取っていた。
石原さんは、天才役者だと、個人的に思っているので、
彼が主役の舞台も観たいなー。ああ、でも彼は主役向きじゃないかも。

音楽が、ものすごく、ぴったりだった。
何か動作をする、その瞬間に、ぽろんと自然に流れる音楽。
サウンドCDも売ってたけど、
うーん、また今度というか、いつでも買えそうなので我慢。
使用曲目リストがあったので、もらってきた。
16曲中、13曲がオリジナル。この舞台のために作られた曲。
ほとんどが木原健太郎さんの曲。

「このバックグランド・ミュージック、いい曲だな」と
意識が飛ばない音楽を作ってもらったそうですが、私の心には響いた。
でも、音楽が演技を邪魔することはなく、
役者の心と客席全部の心を一つにまとめるような、透きとおった音楽だった。
役者として、この舞台で動いていたとして、
この音楽を聞いたから、まばゆい光が見えたんだろうな。
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2001年『欲望という名の電車』 白と黒 [ストレートプレイ]

2007年11月に再演しますね。
恩田陸さんの小説『チョコレートコスモス』に
『欲望という名の電車』を演じるシーンが書かれていたので、なつかしく思い、昔の観劇記を読む。
篠井さんのブランチはあまりにも有名。
今年、また篠井さんのブランチに会えるわ。

6年前の私は、こんなことを考えてたのね。
最後の問いかけには、まだ答えは見つかっていない。

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2001年9月19日 青山円形劇場 舞台を前にして下手側2列目

作 テネシー・ウィリアムズブランチ・デゥボア    篠 井 英 介  ハロルド・ミッチェル  田 中 哲 司スタンレー・コワルスキー 加 勢 大 周  ステラ・コワルスキー  久 世 星 佳

スタンリーとブランチ <白(真実)と黒(真実・過去を隠す)>
 「欲望という名の電車」は過去数回上演している。
今回ブランチに初めて男性の篠井英介さんが挑戦する。
今まで男性でブランチを演じるのは禁じられていた。
私は初観劇。3時間あまりのストリートプレイ。
1幕は話の筋がわからなかった。
時々聞こえる「電車の通過音」は何なのか。

 
この舞台の話は衝撃的。
ステラの家に姉のブランチがたずねてくる。
ブランチは上流階級らしく気品がある。
ステラの夫のスタンレーは荒くれもの。
ブランチの淑女ぶりが気に入らない。
スタンレーはブランチの化けの皮をはがすため、
ブランチの過去をあばきだし、いまわしい過去をぶちまける。

しかし、それよりも昔、
少女時代にブランチは人生を破壊させるようなもっとすごい過去があった。
人には誰にでも暗い過去がある。
ただブランチの場合、
人には想像もできないようなおぞましい過去であった。 
2幕に入り、自分の過去をあばきだされ正気を失い
発狂するブランチ。
緊迫感が劇場を覆う。

ブランチはつねに黒い服を着ている。
ブランチ以外の人はみんな白い衣装。

スタンレーは乱暴だけど一番真実を大切にした人。
だから白。
ブランチは自分の過去を認めようとしない、過去を封印している。
だから黒。

黒い服というのは
「真実・過去」を隠すことを意味しているように私は思った。
自分の過去がなかったかのように振る舞うブランチ。
ブランチの普段の優雅さからは、
過去の記憶がすっぽり抜け出しているように思う。
でもその過去の記憶がよみがえってくるときがある。その時「電車の通過音」が聞こえる。

ここでの電車の通過音は、
のどかな田舎を行く電車の音ではない。
高架下で聞くようなざわめいた、嫌悪感のある音
ブランチは真実の過去が自分から出そうになると、
何も考えられなくなって意識が欠乏する。

その時、頭の中では電車が通っているのである。欲望という名の電車が。

電車が通過すると、何もなかったかのように元に戻る。
それにも限界がくる。
他人によって過去をあばかれたら電車の意味がない。
もう過去から逃れることはできない。
そして、最後 ブランチは白い衣装を着る。 
ブランチ以外の人は黒い服を着る。まるでブランチの存在、真実を隠すように。

ブランチの印象的なセリフ。

の反対は欲望だ」


ブランチは中性なのではないか。
男であろうが、女であろうが関係ない。
ブランチの行動は人間の普遍的な問題であり、
時代を超えて現代でも通用する悲しい現実なのである。

円形劇場の空間 観客をあえて意識しない芝居
青山円形劇場にての公演。
全体的に劇場がせまい。
300数名の劇場。

舞台ではまるで観客がいないように、
淡々と芝居が続けられていく。
観客にこびることもしない。
観客と目を合わせない。
でも、舞台の向こうには観客が存在している。

これは芝居なんだ。
自分は観客なんだと感じずにはいられない。

ふと帰り際に私は白と黒どちらなのだろうかと思った。

観客に無理矢理芝居のテーマを押し付けるのではなく、
観客それぞれが舞台から感じたことを心にとめる。
観客をあえて意識しないで、
観客それぞれの発想の膨らみを助けてくれる芝居だった。


2006/12/30 劇団☆新感線 「朧の森に棲む鬼」プレビュー公演 兄貴、かっこいいーーー [ストレートプレイ]

12月30日 新橋演舞場 3階3列1番
劇団☆新感線 「朧の森に棲む鬼」プレビュー公演

新感線の舞台を観るのは・・・
2002年赤坂ACTシアター「天保12年のシェイクスピア」以来でしょうか

作:井上ひさし
企画・監修:鴻上尚史
演出:いのうえひでのり

佐渡の三世次:上川隆也
お光・おさち:沢口靖子
尾瀬の幕兵衛・国定村の忠治:古田新太

蝮の九郎治・利根の河岸安・手付:池田成志
きじるしの王次・手付:阿部サダヲ

よだれ牛の紋太・百姓:橋本じゅん
お里・安中の老婆:西牟田 恵
お文・真岡の老婆・百姓:村木よし子

お冬・大間々の老婆・女郎・百姓:高橋礼恵
小見川の花平・笹川の繁蔵:粟根まこと
土井茂平太:山本 亮
鰤の十兵衛・飯岡の助五郎:小林勝也
ぼろ安・大前田の栄五郎・百姓:森塚敏
清滝の老婆:熊谷真実

きちんとした新感線の公演ではないのかな?
なぜか最前列で観劇
音響の大きさにびっくり
それまでは、夢夢しい作品ばかり観ていたので衝撃的だった
迫力がすごすぎておなかいっぱいになってしまい、新感線は封印

今回観たいなと思ったのは染五郎さんを好きなことと
第三舞台の小須田さんを観たいため

細かい観劇記はまたの機会に
ネタバレなしでみたほうがいいですよーーー

マイミクのしーてぃさんと一緒に観劇
休憩中や、終わってから、あーでもないこーでもないと
たくさん話せてよかった 
セリフ聞き取りにくいし、最後がはっきりしていないから
わかりにくい作品かもしれないね

プレビュー1回
そのあとは大阪遠征のときに1回チケット買っていたけど
東京公演買い足します!!

というぐらい
σ(・・*)アタシにはツボにはまった
重い作品だから、だめな人はだめだろうね

あの不思議な空間にもう一度行きたい
公演回数重ねると、また違った感じになるだろうしね

「兄貴、かっこいいーーー」
本当にかっこよかった(*・・*)ポッ
魅力的な悪役ね 艶があって、ほれぼれする
衣装が素敵 豪華な衣装に負けないぐらいの迫力ね

検非違使の歌、うたいたいw


2005/12/29 NODA・MAP「贋作・罪と罰」 初めての野田作品 [ストレートプレイ]

2005年 12月29日 シアターコクーン コクーンシート
NODA・MAP第11回公演「贋作・罪と罰」脚本・演出・出演 野田秀樹

まだ東京公演も残ってるし大阪公演もある
これから観る人はネタバレ含むので観劇後に読んでくださいd(^-^)ネ!

σ(・・*)アタシは野田が嫌いだった
学生時代、野田かぶれの友人がいて野田の真似ばっかりしててそれがあまりにもうるさくて嫌いになった
早口で話したり、むやみに飛び跳ねてみたりね
夢の遊眠社時代の「半神」のビデオみても理解不能だった
野田が悪いのではなく、その野田かぶれの友人のせいだーー
今までさけてきたけど、実際に観ないと批判できないよね

一言でいえばよかった 野田ちょっと見直した
そんなこといえる立場じゃないけどね
σ(・・*)アタシは原作読んでいない ロシア文学は難しくて苦手だ
幕末の日本におきかえているので幕末の歴史にくわしいほうが楽しめそう

感想を思いつくまま
・最初から最後までどきどき感が続く
初見だったせいもあるだろうが、次はどんな場面なのだろう
最後はどうなるのあろうとすっかり舞台の世界に引き込まれた

・無駄はないのに計算つくされた演出と小道具
演出がすばらしい 照明の色数が少なく大きな舞台装置もない
派手な照明に頼らず、演技と脚本でみせていた
暗転が全くないのもいい
暗転があると、集中力がきれるので暗転なしの舞台が好き
暗転なし休憩なし2時間 
椅子や小道具も多くて段取りいっぱいなのに
その段取りっぽさをみせないところがすごい

・きれいなセリフ
野田独特の言葉遊びも盛りだくさん
言葉遊び以外に、ふと、いいセリフがあった
膨大なセリフが心地よく耳にはいってきた

・役者の演技は少し疑問
主人公の英役の松たか子 松さんの演技は好きだけど今回は(-_-)ウーム
演出でああしているのか、松さん自身あれが精一杯だったのか疑問
ほかの役者さんが濃い人たちばかりで松さんの演技は優等生っぽかった
松さんの役自体、遊べる場面がなくてまじめに演じなくてはいけない
オーラは出ていたけど、古田さんのオーラもいい意味できつい
舞台に出ていないときは舞台袖に客席からみえる所で役者さんたちはスタンバイしてる
そのときの松さんの様子を見ると
スタンバイしていながらも英になっていた
ずっと英になりきっている集中力はすごい

そして、やけに野田の演技がはげしい 
野田が主役かと思うぐらい出番多い
あの年で飛び跳ねるエネルギーはすごいね
初演の英は大竹しのぶ 大竹さんはどんな英だったんだろう
今回「贋作・罪と罰」の出演者は野田以外みんな初役
松さん以外の人はひとつの方向性にむかって演技していたんだけど
松さんだけ浮いていた"o(-_-;*) ウゥム…
そういう演出なのか それだけが疑問

衣装も大体の人は幕末の衣装(一部ジャージの人もいた)
だけど松さんの英はかっこいい真っ赤な衣装
トレンチコートのような現実味がない衣装
ポスターのようにピンクの着物だったらまた違った印象を持ったでしょうね
英だけ違う感じの衣装にしたということは
やっぱり英だけどこか違う人というように演出をつけたのかな

立ち見で観てる人もたくさんいた
立ち見でも時間を忘れさせてくれるような舞台だったな
また野田作品があったら観にいこう

初演 1995年 東京シアターコクーン 大阪近鉄劇場
キャスト   再演    初演 
三条英   松たか子   大竹しのぶ
才谷梅太郎 古田新太   筧利夫
都司之助  段田安則   生瀬勝久
溜水石右衛門/他 宇梶剛士 小林勝也
妹・智/他  美波     平栗あつみ
目付 護之進/他 マギー  阿南健治
左官屋仁助/他  小松和重 梅垣義明
おつば/酒屋の女将/他 村岡希美 田岡美也子
父・聞太左衛門/他 中村まこと  吹越満
母・清/老婆おみつ/他 野田秀樹 野田秀樹


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